日本野鳥の会茨城県 会報 No.383 1月 2025(令和7年)より

 

見てくれ この眼力

 

 「コミミズクが見られればいいね」と、妙岐ノ鼻での探鳥会へ向かう車中で友人との話が盛り上がる。
 集合にはまだ時間があるので観察小屋に足を運ぶ。広大なヨシ原が広がり、遠くにチュウヒの姿が見える。
 対岸にはコミミズク狙いなのだろうか、沢山のカメラマン。こちら側には誰の姿もなく、諦めかけてふと手前の川岸を見ると、杭の先端にお目当ての鳥影。
 念力が通じたのか、突如舞い上がり、スーッとこちらに飛んでくる。 観察窓からレンズを構えると一直線に向かってくる。 バクバクと心臓が鳴り、人差し指が震えながらシャッターを切る。
「 見てくれ この眼力」と言われたような気がした。

 写真・文/来栖 義久
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